
Interview Vol.104
東近江市を中心に異業種交流会やマルシェ、
イベント活動を通して滋賀を盛り上げる!
EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第104弾の今回は、異業種交流会やマルシェの開催のほか、滋賀県で行われる音楽・スポーツ、芸術の祭典「ベリアスバリューズ」の主軸メンバーとしても活躍する「滋賀盛り上げ隊」の篠崎正典さんにお話を伺いました。

篠崎正典さん
何かを始めたい人の
背中を押すことが
その人の成功体験に。
現在の活動について教えて下さい。
篠崎現在、会社員として勤めつつ、3年ほど前から異業種交流会やマルシェを行い、「滋賀盛り上げ隊」をその後立ち上げました。異業種交流会は1回10人で、個人事業主や、これから何か始めたいと考えているママさん、大学生なども参加しています。東近江やその周辺には個人事業主の方が少ないという肌感がありましたが、自分から声をかけたり誰かの紹介で来ていただいたりと、これまでに述べ300人近くの方との関係を築きました。私は会社員なので特に経営を教えるというわけではないのですが、何かを始めたいという人の背中を押す、補助輪のような役割を担っています。補助輪が取れたら、皆さん勝手にパーっと走って行かれるような、そんなイメージですね。実際に作業療法士の女性が毛糸や布のワークショップをしたいけれど集客できない、と相談された時に、集客を手伝ったことがあります。人が集まって無事ワークショップができたことがその人の成功体験と自信につながった、というのが私の中ではとても印象的です。
異業種交流会を3年間続けていると、皆さんの発言も変わってきますし、卒業される方ももちろんいます。そういう方々の最初のきっかけに関われたということが私の喜びです。
マルシェも異業種交流会の中から生まれました。その中には、実際に自分の店を作って巣立って行かれた方もいます。

異業種交流会の様子
東近江市で活動することになったきっかけを教えてください。
篠崎私はカラオケが好きで、6年ほど前にカラオケのイベントを開催しました。結構皆さんに喜んでいただけて、そのメンバーで後日、バーベキューを行いました。メンバーの1人に喫茶店の店長がいて、その人から「木曜日に1日店長をやってくれないか」といわれて。木曜日は平日なので会社員や学生を集めるのは難しいと思って、個人事業主の友人に声をかけたところ、たくさんの人を連れてきてくれました。私は会社員なので、企業に守られながらどこか、なあなあで過ごしているところもあったのですが、個人事業主の方たちは明日を生きているというか、活力や気力が全然違っていて、おもしろいなと感じましたね。それで、こういう人たちとつながりたいと思って異業種交流会をやってみようと考えました。現在は、ボランティア的な形で異業種交流会を行っています。
滋賀盛り上げ隊と名付けたのは、その名のとおり滋賀を盛り上げたいという気持ちがあったからです。40歳を過ぎて、生まれ育った東近江市に恩返しをしたいという気持ちになっていたところに、京セラの稲盛和夫さんが行われている盛和塾で出会った方から「利他の精神が大切」という話をうかがって、やはり生まれてきたからには人に喜んでもらえることを行うことが大切だと実感しました。
近江商人の経営理念に、売り手・買い手・世間の「三方よし」という言葉がありますが、実際に世間よしをできている人は少ないと思います。世間よしというのは地域よしということ。それを徹底的にやっている人とつながって、滋賀を盛り上げていきたいと思っています。また、言っていることが綺麗ごとと思われないよう、自分が常に率先して行動することを意識しています。

篠崎さんや異業種交流に参加された方々で開催したマルシェ
今の活動が地域活性につながっているところは?
篠崎東近江市の布引体育館で行うマルシェには地元の方がたくさん来られるので、地域活性につながっていると思っています。また障がいのある方たちと子どもたちが一緒に音楽や芸術、スポーツを楽しむフェス「ベリアスバリューズ」とも2024年からコミットしています。
「ベリアスバリューズ」は、滋賀県内の多くの企業が協賛する、大きな祭典です。最初はマルシェの担当として参加してほしいということでしたが、企業スポンサーの獲得など積極的に動くうちに、今では主軸メンバーになりました。こうした活動も地域活性に貢献していると考えています。
滋賀の人はとても温かい人が多いですね。人様を優先するところは滋賀の人のよいところですが、私としては、せっかくいいものを持っているのに発信しないのはもったいないと思ってもいますので、出るところは積極的に出ていこうと考えています。

ビニールハウスを活用したマルシェ
篠崎さんにとっての地域活性を教えてください。
篠崎賑わいの創出が大切だと思います。それには文化を残すことも大切です。私は今、着物の文化を残したいと考えていて、着物を着てレッドカーペットを歩いてもらうようなイベントを開催したいと考案中です。
地域活性には、地元だけではなく外から人が来ることが重要だと思います。例えば、移住者が多い地域はいろいろな考え方が混じり合って地域が活性しているイメージがありますよね。異業種交流会でも、他の業界の方からアイデアを聞くとストンと腑に落ちて、簡単に課題が解決する場合があります。だから外から来る人の力も借りることも、地域活性の大切なポイントだと思っています。
「ベリアスバリューズ」での経験を活かして、
もっと多くの人を巻き込む活動を展開したい。
篠崎さんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えてください。
篠崎私としては、「ベリアスバリューズ」に主軸メンバーとして関わり、かなり多くの人を巻き込むことができたことが自信と誇りにつながっていて、さまざまな活動に対して積極的になることができています。そういう意味では「ベリアスバリューズ」に関われたことが私にとっての“EVOLUTION✕LOVE”です。
この経験を活かして、滋賀全体を巻き込んで盛り上げていけると考えていますし、ゆくゆくは滋賀だけではなく全国も巻き込んでいけるのではないかと思っています。
また滋賀盛り上げ隊の活動は、今は湖東地域ばかりコミットしているので、今後は大津の方とも連携を取りながら滋賀全体を盛り上げたいと思っています。ちょうど今、大津市の住宅展示場でマルシェをやってほしいと依頼があって。子育て世代もたくさん来てほしいと思っているので、子どもが成長して着られなくなった服を無料で譲渡する「どうぞの会」を大津市で開こうと考えています。

ベリアスバリューズの横断幕(https://variousvalues.jp/)
10年、20年後はどうなっていたいですか?
篠崎滋賀盛り上げ隊は今、関係者人口が約300人ほどいるので、10年後、20年後は、さらにこの10倍くらいの人たちとつながって、みんなで滋賀県全体を巻き込むようなことができていたらいいなと思っています。
篠崎さん、ありがとうございました!ボランティア的な関わり方といえども、滋賀県全体を盛り上げることを目標に、異業種交流会やマルシェ、イベントなどに積極的に取り組んでいく篠崎さんを、今後も応援させていただきます。