空でつながろう

Interview Vol.111 多様な企業活動を通して、
高島市ならではの成長を、企業と人に。

EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第111弾の今回は、企業で人事や広報の仕事を行いながら、マルシェなどの活動を通して地域を盛り上げ、貢献する株式会社澤村(SAWAMURA)の河本尚子さんに話を伺いました。

多様な企業活動を通して、高島市ならではの成長を、企業と人に。

河本尚子さん

多様な企業活動を通して、
高島のポテンシャルを引き出したい。

現在の活動について教えて下さい。

河本滋賀県高島市の総合建設会社、株式会社澤村(SAWAMURA)の管理部門で人事・財務・広報の仕事に携わっています。以前はいわゆる“地方の建設会社”というような堅いイメージがあったのですが、2019年にリブランディングをしてから、右肩上がりに事業の幅も従業員も増えて、毎年10名前後の新入社員を迎え入れています。そこで新入社員の教育や、組織の課題を発見して解決方法を見つけています。

滋賀県高島市で活動することになったきっかけを教えて下さい。

河本私は大阪出身ですが、大学の保養所が高島市の近くにあって、4年生の時に初めて滋賀県を訪れました。その時の、琵琶湖の景色が頭にこびりついて離れなくて。家を建てることになった時、その景色を思い出しました。高島市なら琵琶湖があって山もあって、病院も学校もあって、理想の子育てができると思いました。実際に住んでみたら、都会とほどよい距離感で生活が完結し、振り返ったら山があって自転車で琵琶湖にも遊びに行ける場所でしたね。地域の方も、みんなで子育てしてくれるという雰囲気で、庭で採れた野菜を分け合ったりとか、今の時代見なくなった光景がここにあると思っています。子どもも「この場所を選んでくれてよかった」といってくれて、嬉しいです。

株式会社澤村(SAWAMURA)に入社したのは、会社が家の近くだったからです。もともと航空会社で接客業をやってきたので、建設業界に入るのは勇気がいりましたが、会社を知っている人たちから「あそこなら大丈夫ちゃうか」とか「紳士的な会社やで」と聞いて、入社を決めました。いざ入ったらすごく穏やかで居心地がよくて、今の社長が私と同年代というのもよかったと思います。年配の社長の中には、これまでのやり方を大切にされる方もいらっしゃるため、会社の改善に取り組もうとしてもスムーズに進められないことがあると思いますが、この会社なら色々と改善していけるし、自分のできることをやってみようと思えました。管理職の人たちも、いわゆる「俺について来い」というタイプではなく、みんなで若い人たちを支えて育てようという風土で働きやすいです。

多様な企業活動を通して、高島市ならではの成長を、企業と人に。

SAWAMURAマルシェ

河本さんにとっての地域活性を教えて下さい。

河本当社では5年前からSAWAMURAマルシェを行っています。また本社のある大溝エリアの方たちが行っている大溝まちづくりマルシェと連携しています。もともとは半年に1回だったのですが、年に1回にして、その代わりに通り全体を巻き込んだ大きなマルシェを開催しようという方向でここ数年実施しています。普段は全然人がいない地域ですが、マルシェ当日は市外、県外からも含め、約2,000人のお客さんが遊びに来てくれました。10月だったので、たくさんの子どもたちが仮装行列をして。高齢者の方たちが見て、「この地域でもこんな景色が見れるんや」ってすごく喜んでいただけました。

高島市はまだまだポテンシャルがある地域だと思います。マルシェを通してもっと多くの人たちにこのエリアを知ってもらいたいと思うし、地元の方たちとのタッチポイントも増やしたい。それが将来的には地域の活性化につながればよいなと思います。

多様な企業活動を通して、高島市ならではの成長を、企業と人に。

大溝まちづくりマルシェの仮装行列

自分が動くことで、
後に続く人たちに、
可能性を感じてほしい。

河本さんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えて下さい。

河本私が会社に入社した時は、私のように子育てをしながら働いている女性がいませんでした。女性は出産をしたらブランクができてしまう。それをブランクと思わず、私が自己実現することでその後に続く人が可能性を感じられるとか、パート雇用など時間的な制約がある人でもキャリアを積んでいける、そんな実例がある会社にしていきたいと考えています。これまでも、子どものために家に入ることも考えたことはありますが、社会に出て人と関われば私自身もどんどん成長していけると感じていますし、子どもたちにもいろいろな人と関わっていろいろな価値観に触れてほしいと思っているので、私は今の姿を見せ続けていきたいと思っています。

また今は、何かの箱に入ってしまえば一生安泰という時代ではない。海外も含めてボーダレスにいろいろな人と関わってつながって、いつ何があっても社会活動に参加できるだけの知見を持っていなくてはならないと思います。だから子どもと一緒に海外へ行って現地の学校に1週間通わせて、異文化や違う価値観に触れさせたりもします。そういう機会を作るためにも、私は社会に出ておきたいと強く感じています。こういうマインドを持っていても働き続けられる会社だからこそ、ここまでやってこられたのだと実感しています。だから私も「子育てで思うように仕事ができない。残業も出張もできない」という人たちに「焦らんといてほしい。私にもそういう時間があったけれどここまで来られたから」という話をしたりして、機会の有無だけで評価をする会社ではないということを伝えていきたいと思っています。また地域としても、若い人たちに「自分たちが活躍してこの街を盛り上げる」という思いを持ってほしい。そのために人材育成も力をいれていきたいです。それが私にとっての“EVOLUTION✕LOVE”です。

多様な企業活動を通して、高島市ならではの成長を、企業と人に。

琵琶湖に浮かぶ白鬚神社の大鳥居

10年、20年後はどうなっていたいですか?

河本若い人たちが頑張れる環境を整えてあげられていたらいいですね。10代20代の人たちが活躍できる環境を醸成することが、企業人としても高島市民としても必要だと感じています。滋賀県だから、高島だからこういう経験ができました、と誇りを持っていえるようなそんな環境を整えられたらいいなと思っています。

河本さん、ありがとうございました!企業人として、また高島市民として、街を盛り上げ、未来の人材育成に尽力していく河本さんの仕事や活動を、今後も応援させていただきます。