Interview Vol.128
「街を明るくするプロジェクト」
in 滋賀県大津市
共創型まちづくりプロジェクト「EVOLOVE(エボラブ)」は、新企画「街を明るくするプロジェクト」をスタートしました。
「もっと良い街にしたい」という思いは誰もが持っていますが、“明るい街”とはどんな状態なのか?それを市民の皆さんとともに言語化し、行動に移していく試みが、滋賀県大津市で始まっています。
まずは、“明るい街”を
一緒に考えるところから
4月、旧大津公会堂に集まったのは、行政職員、地元企業、大学生、市民など20名以上。
「街を明るくするには?」をテーマに、付箋を使ったディスカッションが行われました。
参加者からは次々とリアルな声が。
- 特産品が地味
- 日中の人口が少ない
- 琵琶湖の良さを生かしきれていない
- 自然と対話が生まれるような居場所がない
- SNSが盛り上がっていない
続いて、「どんな街になったら良いか?」という問いには、こんなアイデアが出ました。
- 湖岸にカフェやイスを増やす
- 夜の散歩イベントを開く
- 子どもと地域の関わりを増やす
- みんなで街のマップを作る
- 多様なモビリティを導入する
そんな中飛び出した、
「大津をアートで明るくしたい」
という意見が、1人の学生と繋がります。
立命館大学・都市地域デザイン研究室の4回生、渡邊雄樹さん。
彼も「シャッターや壁面などを活用し、ストリートアートの力で“歩きたくなる街並み” をつくる」という構想の下、大学の演習講義で「Storyeet Otsu(ストリート・大津)」というプロジェクトを提案した経緯がありました。
その際に考案したスキームをもとにStoryeet Otsu を実際に動かすという形で、「大津をアートで明るくする」挑戦が始まりました。
壁を探して、街を歩く。
少しずつ動き出す。
渡邊さんは語ります。
「まちを使う人々こそ、“明るい街”の創り手。そういう方たちの考えを大事にする。」
まずは壁面探しです。
EVOLOVEチームと渡邊さんは、商店街を歩きながらアートを実装できる場所を探しました。
フェンスやシャッター、扉など、使えそうな壁面を一軒ずつ訪問。
そして、ある商店街の大きなフェンスの前で、プロジェクトは一歩前進します。
商店街の理事の方による言葉に背中を押され、プロジェクトはいよいよ実現に向けて動き出します。
地域の人々と一緒に、どんなアートを描くかを考える「シナリオ会議(討議型ワークショップ)」が開催されることになりました。
“明るくする”のは、
壁だけじゃない
このプロジェクトは、アートを描くだけでは終わりません。
まちづくりの主役を市民や学生自身が担うというEVOLOVEの理念のもと、
誰かのアイデアが次の挑戦につながる、循環型のまちづくりを目指しています。
大津の街をもっと明るく、もっと面白くしていくために――。
学生、企業、行政、市民が一緒になって考え、手を動かし、未来を描いていく。
そんな新しい“まちづくりの風”が、今、琵琶湖のほとりから吹き始めています。

「街を明るくするプロジェクト」参加者募集
滋賀県大津市を、ストリートアートの力で明るくしていくプロジェクト「Storyeet Otsu」。
全4回のワークショップを通じて、皆さんの意見をカタチにしていきます。