空でつながろう

Interview Vol.134 子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、
「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第134弾の今回は、滋賀県長浜市で子育て応援カフェを運営しながら女性の就労サポートなど幅広い活動を行う宮本麻里さんに話を伺いました。

子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

宮本麻里さん

お母さんたちと、
行政や企業をつなぐ
役割を担う。

現在の活動について教えて下さい。

宮本滋賀県長浜市で「子育て支援カフェLOCO」を運営しています。誰でも気軽に利用できるカフェ「LOCO Kitchen」では子育て・シニア世代の暮らし応援事業、「LOCO Living」女性の就労応援事業など幅広く活動しています。

おかげさまで、今年で10周年を迎えました。LOCOとはハワイの言葉で「地元」という意味があります。地域のお母さんをはじめ、世代や性別を問わずいろいろな人が集まってくれるといいなと思い、この名前をつけました。

子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

LOCOスタッフの皆さん(10周年記念時)

長浜市で活動することになったきっかけを教えてください。

宮本私自身は結婚を機に岐阜県から滋賀県の最北端の街、長浜市余呉町に来て、2人の子育てをしています。子どもが小さい頃は地域の子育てサークルに参加して、役員もさせてもらいました。サークル活動は地域の施設を借りて行っていたので、お母さんたちから「いつでもいける場所がほしいなぁ。」「みんなで一緒にご飯がたべられたらいいなぁ」という声があがりました。そんな話を聞きながら、お母さんたちがいつでもフラッと行ける、元気になれる場所を作りたいと思うようになりました。作るならずっと続けていくためにも仕事にしたいと思っていたので、まずは長浜に住むお母さんたち100人にアンケートを取って、コンセプトを作っていきました。

アンケートでは、今子育てしながら困っていること。親子カフェができるならカフェ以外にどんなサービスがあると良いかなど聞き取りました。みなさんとても丁寧にあつい想いを伝えてくれました。LOCOはこのみんなの声を土台にカタチを創っていきました。

子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

高齢者の方向けイベント

「LOCO」を立ち上げて変化したことはありますか?

宮本最初に作ったコンセプトは「enjoy the mommy life」で、その言葉通りお母さんたちのための居場所を作ることと子育て応援が主軸でした。それから10年が経ち、関わる人たちがだんだん増えてきて。お母さんたちだけではなくて学生や年輩の方たちが訪れて、話を聞いていくうちに就職応援や暮らしの応援をするようになりましたね。

湖北地域はM字カーブが深かったのですが、最近では、子育てしながら再就職する人や育休をとって復帰する人など、働くママが増えてきたように思います。

暮らしも大切にしながら【働く】を考えている方も多いので、働きやすい職場づくりや、継続就労応援の取り組み、働くカタチの柔軟性も重要な視点になってきています。

例えば企業に務めるにしても、フルタイムやパートなどいろいろな働き方があるし、在宅で起業する働き方などがある。そう考えると、一人ひとりにあった働き方のカタチを創ることが大事だと思うようになりました。

「LOCO」は地域に暮らす人達に対してみんなが社会で活躍できるかという視点を大切にして、就職応援の取り組みを行ってきました。合同企業説明会や、お母さんたちに対してはワークライフバランスのヒントや、企業側に対しては働きやすい職場の創出方法など、外部講師を呼んでいろいろなセミナーやイベントを行ってきましたね。また滋賀県や長浜市で関連する取り組みがあれば、そちらへつなげる役割も担っています。ハローワーク・県のお仕事相談・かごふくしや保育相談出張所の開設があります。ハローワークに行くのは少しハードルが高いけれど、いつも来ているカフェで就職相談ができるなら、というママの背中を少しでも押せているかなと思います。

滋賀県は中小企業が多いので、自社だけでは研修など行うことが難しい場合もあるので、関係機関と協働して継続就労などのサポートを行っています。その成果が少しずつ現れ始めて、今は地域のママたちがイキイキと働きに行くようになったことに変化を感じています。

子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

合同企業説明会

宮本さんにとっての地域活性を教えてください。

宮本「LOCO」は、地域に暮らす人と行政や企業そのちょうど真ん中の立ち位置に居ることを大切にしています。どちらに対しても丁寧にヒアリングを重ねて、両者の想いを大切にしながら双方が思っていることを翻訳して、お母さんたちに必要なものを行政や企業と一緒になって考えて届けることを大事にしています。就労応援でいえば、自分らしい働き方を見つけられる場所にしていきたいと考えています。私たちのこうした活動が、この街に住んでいる人たちが、自分たちが思い描く働き方や暮らし方ができる一助になれたらいい。住んでいる人みんなに役割があって、それぞれがその役割を生かして楽しく暮らして「長浜に住んでよかった、ここで子育てできて本当に幸せだった、ずっとここに住み続けたい」と思うようになること。その数がどんどん増え続けること、それが地域活性に繋がると思っています。

滋賀県は広いけれど、こういう活動を続けていると心から応援してくれる人にたくさん出会える素敵な場所です。そういうつながりをもっと生かして、私たちもより地域が元気になれる活動を行っていくことができたらいいなと思っています。

変わらぬ人たちに支えられ、
人の輪がどんどん広がる。
それが進化につながる。

宮本さんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えてください。

宮本「LOCO」を立ち上げて最初の頃に来てくれていた赤ちゃんが小学校3年生になっていたり、お母さんもそれにともなって働き方が変わっていたり、しばらくして3世代でおばあちゃんもここへ来てくれるようになったり、いろいろな関わり方が増えました。10周年を迎えて感謝祭を行いましたが、オープン準備の段階から関わってくれている人が変わらず今もいてくれて、応援し続けてくれて、その力がどんどん大きくなっていることがとてもありがたく、涙が止まりませんでした。またそこから関わる人もどんどん増えてきて、もっと地域全体がよくなるようにいろいろな取り組みをしていきたいとも改めて思いました。大きな変化ではないけれど、「LOCO」は変わらぬ人たちに支えられながら、ここに関わる人の輪がどんどん大きくなっていって、少しずつ進化している。それが私にとってのEVOLUTION✕LOVEです。

子育てや就職、暮らしなどさまざまな応援事業を行い、「長浜市に住んでよかった」と思われる地域をめざす。

子供達向けのイベント

10年、20年後はどうなっていたいと考えていますか?

宮本まずは「LOCO」を続けていくことが大切なので、この場所を丁寧に続けていき、ここに関わってくれる地域の方々の心が少しでも豊かになっていたらいいなと思います。

宮本さん、ありがとうございました!自分たちの立ち位置を大切にしながら、「LOCO」の活動を通してお母さんをはじめさまざまな世代の方々をバックアップし続ける宮本さんを、今後も応援させていただきます。