Interview Vol.70
滋賀県大津市からエシカル情報を発信し、
緑の地球を未来へつないでいきたい。
EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第71弾の今回は、エシカルライターとグルメライターの活動を通して大津市を盛り上げ、将来は日本や世界へエシカルな発信をしたいと夢を抱くSariさんにお話を伺いました。
Sariさん
子どもの頃に抱いた
思いを叶えるべく
エシカルライターに。
現在の活動について教えて下さい。
Sariエシカルコンシェルジュの資格を取得し、ライターとして「Yahoo!ニュース」で大津市のエシカルなお店や人の情報を中心にした幅広い発信をしています。またローカルメディア「LOMORE」でグルメライターとして滋賀県のおいしい店の情報発信も行っています。滋賀県からエシカルを発信するブログ「Saricoとエシカル」の運営もしています。
大津市で活動することになったきっかけを教えてください。
Sari子どもの時は父が転勤族で広島や愛知などいろいろなところを転々とし、中学生の時から大津市に住んでいました。結婚して外へ出ましたが、また滋賀県に戻ってきて、外に出てあらためて滋賀県の良さがわかりましたね。自分が育った場所でもあるし、子どもを育てた場所でもあるし、本当にホームという感じでホッとします。まわりの人たちもみんな優しいです。
滋賀県に戻ってからは、子育てをしながらパートで仕事をしていました。子どもが成長して手離れをし、「好きなことをやろう」と思ってまずはカフェ巡りから始め、インスタに投稿するようになりました。その後、コロナが始まってカフェ巡りがなかなかできなくなり、おうちカフェを楽しもうと思ってパンやケーキを焼いたりしていました。そのうちに「自分でカフェをやってみたい」という憧れが出てきて、とあるカフェに遊びに行って話をしたら「ちょっと手伝ってみる?」という話になって、カフェを手伝うようになったんです。その店にはインスタのアカウントがあったので私が書くようになったのですが、「すごいな、上手やな」と店長に褒められたので、インスタの運用も頑張っていました。しばらくすると、そのカフェに滋賀県のグルメサイトの編集長が来店したのですが、店長が「この人、書くことがうまいから雇ったってくれへんか?」と推薦してくれたのです。そこから本格的に、グルメライターの仕事をするようになりました。
こんな感じで、人とのご縁で仕事をいただいていると実感しています。やってみたいことを口に出すと、そこからすべてが動き出したので、やはり行動することは大切だと思っています。人と人とのつながりに感謝しながら、自分のライターとしての活動を通して今度はみなさんに恩返しをしたいと思ってます。
Cafe Fujimituでカフェ手伝いされていた時のSariさん
エシカルの情報発信をするようになったきっかけはなんでしょうか?
Sari子どもの頃、日本から遠く離れた国では温かいお風呂にも入れず、きれいな水も飲めずに飢えで亡くなる子どもがいるという話を学校で聞き、大変ショックを受けました。それがきっかけで「将来は困っている人たちを助ける仕事ができたらいいな」と思うようになり、法学部の政治学科に進学して国際政治を学びました。結婚して子育てが始まってからはその思いを断念していたのですが、子どもの手が離れてグルメライターとして第二の人生がスタートすると、「やはりエシカルな活動に携わりたい」と思うようになり、エシカルコンシェルジュの資格を取りました。エシカルに関する知識や、店や人などを紹介し、発信をし続けていこうと頑張っています。
また大津市市民活動センターのしがローカルSDGs研究会という組織で、飲食店のテイクアウト用お弁当箱をリユースする「リパコ」の普及アドバイザーとしての活動も行っています。リパコの利用登録をしたお客さんは参加店のテイクアウトメニューをリパコで持ち帰り、その容器は参加店ならどこでも返却することができます。これでプラスチックごみの削減につながります。
私はグルメライターの立場を生かして、取材先で出会った協力してくださる店を「しがローカルSDGs研究会」へつないでいます。具体的には、エシカルな視点で私が選定・推薦という形で、持続可能な社会を目指す取り組みに共感する店舗を中心にご紹介しています。
もともと、大津市市民活動センターの活動をよく取材していたのですが、今回リパコのリニューアルを機に、こうした役割を請け負うことになりました。取材活動を通じて縁ができ、そこから人と人とがつながる。滋賀の人は本当にみんな温かい方ばかりだと感じています。
2024年10月より本格的に実証実験開始予定の「リパコ」の仕組み
Sariさんにとっての地域活性を教えてください。
Sariエシカルはとても幅広いですが、大まかに言うと人や社会、地球環境に良い生き方ということ。私ひとりがエシカルなコトや人を取材し、発信していてもなかなか大きな変化は得られないですが、やはり地方が元気に活動をすれば、日本も元気になると思います。大津市には環境問題に取り組んでいる企業、個性的な野菜を作る小さい農家、琵琶湖の湖魚を料理して提供するレストランなど、全国にお伝えしたい情報がたくさんあります。日本全体から見ても滋賀県の活動は評価できることも多いでしょう。もちろん他県もそれぞれきっと頑張っていると思うので、こうしたことがボトムアップとならないと、なかなか日本全体が元気にならない。私はこのボトムアップが地方活性につながると考えています。
「おうちマルシェ」というイベントを取材した際に皆様と
みんなが環境保全に意識を持ち
幸せに暮らせる社会を作ることに
影響を与えられる存在になりたい。
Sariさんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えてください。
Sari以前はエシカルなことに関わりたいと思いつつも、子育てが忙しかったり自分も病気をしたりで、地球や社会のことなんて全然考える余裕はありませんでした。しかしエシカルコンシェルジュの講座で地球の気候変動の危機を学び、自分なりにできるところから活動を始めてみて、今一番取り組んでいかなくてはならないことは、地球環境の問題だと実感しています。
緑の地球を、子どもたちに残していかなければいけない。そう思うことで地球や世界全体への愛が私の中に湧き上がってきました。自分のことしか考えられなかった私が、今、地球への愛を持つまでに進化している。それが私の“EVOLUTION✕LOVE”だと実感しています。
訪問看護ステーション「香をり」さん取材
10年後、20年後はどうなっていたいですか?
Sariエシカルコンシェルジュ、エシカルライターとしてもっと社会に貢献したいですね。今は滋賀県のエシカルな店や人を取材する仕事をして、自分の周りからも「あの記事、読んだよ。あれってどういうこと?」と尋ねられたりして、私が書くことで誰かに影響を与えることができていると感じます。まずは、自分の周りから変化を起こしていくことです。でも将来的には滋賀県にこだわらず、もっと日本全国、世界へと広範囲に発信していけるようになっていけたらと思っています。日本よりエシカルが進んでいる国も多いですが、もっとみんなが環境保全に意識を向け、行動を起こすことに貢献できたらいいですね。地球が良い状態で、みんなが幸せに生きられる社会へと、少しでも影響を与えられるような活動をしていけたらいいなと思っています。そのためには、私1人の力ではパワーが足りないので、ブログで一緒に記事を書いてくれるライター仲間を募集したいです。
Sariさん、ありがとうございました!滋賀県のエシカルな店や人を紹介し、その輪を広げ、日本や地球の環境保全に貢献していきたいと活動を続けるSariさんを、今後も応援させていただきます。