Interview Vol.76
「食」インフルエンサーとして
大好きな横浜市の魅力を日本へ、
世界へ広げたい。
EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第76弾の今回は、横浜市の「食」の魅力を発信することで大好きな地元をもっと活性化させようと頑張っているグルメインフルエンサーのゆかりさんに話を伺いました。
地元住民が楽しく暮らせること
より多くの人が訪れる街にすること
それが活性化への道。
横浜グルメ&カフェインフルエンサーゆかりさん
現在の活動について教えて下さい。
ゆかり横浜を拠点に、グルメのインフルエンサーとして2年半前から活動しています。横浜の飲食店を盛り上げるインスタの発信や、食関連の企業のプロモーションおよびSNSの支援を行っています。私は横浜に特化して活動をしていますが、他の各地域にも私のようなインフルエンサーを増やして地域活性化の一助になればという思いから、インフルエンサーの育成活動も行っています。
こうした活動を通して「ぐるっとみーと」というイベントも生まれました。私は、飲食店とインフルエンサーはお互いに相乗効果を生み出す存在だと思っていますが、現実は意外と対立関係にあったり、あまり仲がよくなかったりすることがあります。この両者がしっかりとタッグを組んで、地域の人々に向けて楽しいイベントを仕掛けていくような活動も行っています。
横浜で活動することになったきっかけを教えてください。
ゆかり私は生まれも育ちも横浜で、25年間ずっとここに住んでいます。前職は小学校で教員をしていたのですが、「何か違うことをやってみたい」という気持ちは常に持っていましたね。また、そのときは横浜に特化したインスタのアカウントがなく、「そういうアカウントがあればいいのに」ともずっと思っていました。私自身、横浜に長く住んでいるのに横浜の店を全然知りませんでした。友達とどこかに行こうとしても、チェーン店やいつものカフェばかりで、地元の店をあまり知らないなと思ったのです。もったいないなと。よく、日本人が日本の良さを世界の人々にしっかりと伝えられないというじゃないですか。その感覚を自分の中にも感じて、もっと横浜のことを知りたいなと考えるようになりました。だから、「こんなアカウントがあったらいいな」と思うことを自分でやり始めたという感じですね。
私は、横浜には住んでいる人しかわからない魅力があると思っています。よく言われるのは、横浜の人って「どこの出身?」と聞かれた時に、神奈川出身じゃなくて横浜出身と答えるくらい横浜愛が深いです(笑)。私のインスタのフォロワーも横浜の人が半分で、半分がそれ以外の方。何でも揃っているし、景色も含めてちょうどいい街。でも、その魅力をなかなか外に向けて広げようとはしない。私は横浜のいいところを地元だけにとどめているのはもったいないなと感じています。インスタの発信で横浜のよさが広がって、横浜に来るきっかけになってくれたらいいですね。
「ぐるっとみーと」参加者の皆さんとイベント時の様子
地域活性などの活動を教えてください。
ゆかり地方活性には2つの軸があると考えています。ひとつは横浜を愛している地元の人が楽しく暮らしやすい街にすること、もうひとつは横浜に来る人たちを増やすことです。その2つがうまくつながってはじめて活性化できると思います。例えば、京都は観光客が多すぎて、地元の人たちが電車にも乗れないような状況になっていると聞きます。それは違う気がしますし、誰のための街なのかなと思ったりします。その反対に地元の人は満足しているけれど、観光客が訪れたくなるような街になっていないというところもあります。横浜はどちらかというと後者ですね。観光客は意外と少ないです。外国人観光客も、東京の人たちもわざわざ横浜に来る理由がない、でも横浜の人たちは地元をとても愛している。横浜は、もっと他の地域や国の人たちを呼び込むような魅力の発信をして、活性化していかなくてはいけないと思っています。
じゃあ横浜で、人が呼べるものってなんだろうと考えると、やっぱり「食」。ブランド名に「YOKOHAMA」というワードを入れている食関連の企業様は多いです。でも横浜の名がついた食のブランドも、今ひとつ世間には広がっていない感じがします。
私は「食」を通して横浜に人が来る理由を作っていきたい。それは私1人ではできないし、横浜としての食のブランドを一からすべて1人で作ることもできないので、地元の食関連企業ともっと関係値を深めて、協力し合いながら地域の活性化を進めていきたいと思っています。
「ぐるっとみーと」イベント時の様子
「誰かを喜ばせている」
その実感がターニングポイントに。
ゆかりさんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えてください。
ゆかりこの仕事は、教員をやめて違う仕事がしたい、そこに自分が好きな横浜の「食」をかけ合わせたいという個人的欲求からスタートしました。まずはフォロワー数を伸ばすところにフォーカスして頑張って、そこからだんだんとフォロワー数が伸びていって。自分の発信が何万人もの人に見られているというのは、変な感覚でしたね。その発信活動における私のターニングポイントは、横浜の2件の飲食店と私で一緒に行ったイベントの開催です。1日に150人ぐらいのフォロワーさんを呼んで、何時に何名入店のような形でお店を数回に分けて回転させて、皆さんに食事を楽しんでいただくイベントを行いました。今までスマホの画面越しに見ていたフォロワーさんが今私の目の前にいるという不思議な感覚と、私が大好きな店の食事をその人たちが喜んで食べてくれる、その楽しい空間をみんなで作ってくれているというのを目の当たりにして、これまで自分の中でふわっとしていたものが、「誰かのためになっているんだ、誰かを喜ばせているんだ」と実感できました。それがターニングポイントだと思っています。このイベントをきっかけに、もっとこの活動を広めていきたいと思いました。またその延長線上で、横浜に人が来る理由を作りたいとも考えています。横浜には赤レンガ倉庫や他にも観光スポットはいろいろありますが、じゃあ世界に誇れる横浜の魅力ってなんだろう?と考えた時に、やはり日本が世界に誇れるコンテンツのひとつ、「食」だと思いました。自分だけではなく、もっといろいろな人たちにインフルエンサーになってもらいたい。その人達とつながってイベントを行ったりしながら「食」で横浜を盛り上げていく、それが私の“EVOLUTION✕LOVE”です。
横浜ご当地グルメハンバーグ
10年後、20年後はどうなっていたいですか?
ゆかり10年後、20年後はまだ想像できませんが、5年以内には赤レンガ倉庫や横浜スタジアムなどの大きなところで、インフルエンサーと地元の企業がコラボして人を楽しませるイベントを必ずやりたいと考えています。またこれからも地元の飲食店や企業支援は続けていきたいと思っていますが、自分自身もみんなが熱狂するような食の店舗やコンテンツを横浜に生み出していきたいと思っています。実際に今、「横浜ハンバーグ 雪兎」ハンバーグ専門店をやっております。やはり「YOKOHAMA」の名のついたブランド名ですね(笑)
このハンバーグが横浜に来る一つの理由になってくれると信じております。
ゆかりさん、ありがとうございました!横浜の魅力のひとつである「食」の発信を通して、もっと横浜のいいところを広めたい、横浜に人を呼び込みたいと日々活動を続けるゆかりさんを、今後も応援させていただきます。