Interview Vol.79
ヨガやマルシェを通して
大津市の人々や地域をもっと元気にしたい!
EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。第79弾の今回は、大津市の寺院でヨガ教室やマルシェプロデュースを行いながら、人々の心と体の健康づくりに力を入れる高村まりこさんに話を伺いました。
マルシェの出店者さん、参加者の皆さんと高村まりこさん(写真左から三番目)
人から人へとつながり
口コミが功を奏して
多様な人々がヨガ教室に。
現在の活動について教えて下さい。
高村ヨガのインストラクターとして16年目を迎え、現在は大津市の大津別院で月に2回、他にも市内のスタジオでヨガ教室を開いています。また大津別院で行うマルシェ「別院広場」のスタッフとしても活動をしています。
ヨガレッスン時の様子
大津市で活動することになったきっかけを教えてください。
高村結婚して子どもを生んで社会復帰を考えた時、もともと体を動かすことが好きだったので、最初はみんなも自分も健康でいられるエアロビクスを仕事にできたらいいなと思っていました。でも、高齢になったら難しいかなと考えて。ヨガや太極拳であれば60、70歳になってもできるのではないかと思いました。
それまで一度もヨガをやったことはなかったのですが、たまたま検索で引っかかったヨガのインストラクター養成コースが目に止まったので、思いきって申し込みました。
はじめの2年は委託業務として、スタジオでヨガを教えていました。そのうちレッスンに訪れる方から「こういうポーズを教えてほしい」とか「こんなリラックスをしてみたい」と要望が上がってきました。その声にできる限り応えたいと思うのですが、フィットネススタジオ側の規則があって、なかなか自由にはできません。例えば「後屈のポーズ」といって、体を反らすポーズがあるのですが、年配の方がそのポーズを取ると首を痛めることがあるかもしれないから、やらないでほしいとか。1人ひとり注意しながらであれば問題はないのですが、何かあった時に大変だからというリスクマネジメントはよく理解しています。でも自分が直接教えている人の思いにできる限り応えたいという気持ちのほうが大きくなり、「自分の教室を持てばニーズに応えたレッスンができる」と考え、独立することにしました。
大津別院で行うことになった経緯は?
高村ちょうどその頃、幼稚園のママ友から「資格があるならヨガのレッスンを開いたら?」といわれ、PTAの本部役員をしていたこともあって行事のひとつとしてヨガのレッスンを行いました。「すごくよかった!また続けたい」という声が多く、「じゃあどこかでやろう」ということになりPTAがよく会議で借りていた市民センターにお願いしたところ、快く貸していただけることになりました。
しばらくは市民センターでヨガ教室を開いていましたが、市民センターはコンクリートに直接カーペットが敷いてあるような造りだったので冬はとても寒く、最後のリラックスタイムもとてもリラックスできるような環境ではありませんでした。
「もう少し皆さんにリラックスしてヨガを楽しんでもらえるところはないだろうか?」と探しているうちに、あるお寺の奥さんであるママ友の1人が「うちのお寺を使っていいよ」と声をかけてくださいました。最初は冬の間だけお寺を貸してもらって、市民センターと2拠点で7年ぐらい続けていましたが、そのうちに市民センターが民間の手に渡ることになって利用できなくなったので、お寺だけでヨガ教室を行うようになりました。
お寺ヨガは雰囲気が素晴らしいので、心も体もとてもリラックスできます。なので他にも「このお寺でヨガ教室をやりたい」という方が現れたんですね。私が月2回、その方も月2回ヨガ教室を行うとなると、お寺の方の負担になってしまうと考えました。折しもそのタイミングで別の友だちから大津別院という寺院がイベントで人を集めたいと思っているけれど、なかなか人がいなくて困っているので、そちらでヨガ教室やってみたら?と声をかけてくれました。「どうなるかわからないけれど、これはもしかしたら良いタイミングかもしれない」と考え、大津別院に直接お願いをしに行きました。前のお寺は10人も入れば一杯でしたが、大津別院は40人くらい入れる広いお寺だったので、コロナ禍でしたが「これなら、感染症を気にする方にも安心して参加して貰える」とも思いました。
大津別院は本堂や書院が国の重要文化財に指定されている寺院です。それまで私はSNSでヨガ教室の宣伝を一切行ってこなかったのですが、「この素晴らしい建物をもっと多くの人々に伝えたい」と思ってSNSで発信したところ、ママ友つながりが中心だった参加者が、世代を超えて多くの方に来ていただけるようになりました。ずっと通ってくれる80代の方に、「ここまでなら大丈夫」と、色んなポーズを取り入れたり、初めての方には負荷の小さいポーズを教えたり。ヨガは誰もが無理なく体を動かして健康になれる手段のひとつです。レッスンが終わった後も、皆さん楽しくおしゃべりをしていて、そんな光景を見ながら「こうしてみんなが健康に年を重ねていけたら素敵だな」と感じています。ヨガを通して私が一番伝えたかった心と体の大切さも、大津別院から発信できるようになったと感じています。
レッスン終了後は本堂や縁で休憩
高村さんにとっての地域活性を教えてください。
高村私は京都で生まれ、結婚を機に大津市民となりましたが、大津がこんなに良いところだと初めて知りました。お寺も多いし、素敵なお店も多い。優しい人も多く大津は本当に魅力あふれる街です。もっと全国的に大津市を知ってもらえたらいいなといつも思っています。
私自身が地域のためにできることは、基本的にはヨガを通じて健康を広めることしかないですが、大津別院が多くの人々にとって楽しく集える場所になったら素敵だなと考えて「別院広場」というマルシェの企画も担当しています。お寺でヨガやマルシェがあると様々な方が来られるので、普段交わる事のないような若い方と年配の方とのコミュニティもできます。みんなでご飯を食べたり楽しくお喋りしたりすることで、心も元気になり、地域全体も元気になる。
「別院広場」が単なるヨガ教室やマルシェではなく、みんなが気軽に集える場にしていきたいと思っていますし、それが本来のお寺の開き方でもあり、地域活性につながるのではないかと考えています。
マルシェ出店者さんのブース
身内だけではなく、
健康になってほしい人の対象が
どんどん広がっていく。
高村さんにとっての“EVOLUTION✕LOVE”を教えてください。
高村もともとはヨガで自分自身の健康維持と、友達や身近な人が健康になっていけたらいいと考えていました。でも、今では老若男女たくさんの方がヨガ教室に来てくださって、特に年配の方が中心になってきているので、この方たちがいつまでも自分の足で買い物へ行ったり、背筋を伸ばして大津の街を散歩できるくらい健康でいてほしいと思うようになりました。健康になってほしい方の対象がどんどん広がっていますね。今では大津市の皆さんに健康寿命を伸ばしてほしいと願っています。
それが私の“EVOLUTION✕LOVE”です。
マルシェ出店者さん
10年後、20年後はどうなっていたいですか?
高村私自身はおかげさまで多くの方々がレッスンに来てくださるようになったので、このまま現状が続けば幸せだと思っています。マルシェも最初は1店だけでしたが、今では9〜10店が出店してくれるようになりました。マルシェはたくさんお客さんが来るお店もあれば、中にはお客さんがまだ多くいないお店もあります。そんな新しく参入してくれる人達も、楽しく出店できるようになれば嬉しい。今後はもっとたくさんの方々に来ていただけるように、マルシェも盛り上げていきたいと考えています。大津別院は大津駅から琵琶湖を結ぶ大通り沿いにあるので、どなたにもフラッと立ち寄ってもらえるような、そんな「みんなの憩いの場」にしていくことが目標です。
高村さん、ありがとうございました!お寺でのヨガやマルシェを通して、大津市の人々や街全体を元気にしようと頑張る高村さんの取り組みを、今後も応援させていただきます。