空でつながろう

Interview Vol.85 お米を使ったバイオレジンの袋で
地元農家の底上げに取り組む

EVOLOVEプロジェクトでは、日本全国47都道府県にて「地元愛」を持ち、積極的に地域活性に力を注ぐ方々へのインタビューを行っています。これまでの活動内容から、この後どのように「地元愛」を進化させていくか。未来へ向けたチャレンジを、皆さんと一緒に考えていけたらと思っています。

今回は、9月21日、22日の2日間にわたって滋賀県で開催された「イナズマロック フェス 2024」でN高等学校とのコラボ企画で米袋を作った、滋賀県西浅井町の若者チーム「ONE SLASH」の清水広行さんにお話を伺いました。

お米を使ったバイオレジンの袋で地元農家の底上げに取り組む

滋賀県庁にてマザーレイクゴールズ分野別大使の
第1号の就任証を授与されるONE SLASH代表清水さん(写真右)

今回の「イナズマロック フェス 2024」でN高等学校とコラボすることになったきっかけを教えてください。

清水博報堂本社が主催したあるイベントに登壇する機会があり、地方というテーマで講演をしました。その時に会場で「お米×◯◯ で一緒にコラボができる方いませんか?」と声がけをしたところ、真っ先に手を上げてくださったのがN高等学校でした。

なぜN高と一緒に米の袋を作ることになったのでしょうか。

清水もともと私は琵琶湖の最北端エリアに当たる西浅井町で、米作りを中心に地方創生や地域づくりに携わっています。これまでに米づくりを通して地域の課題解決は進めてきましたが、農家さんの根本的なボトムアップにつながっているかといわれると、実はそうではなくて。自分たちの米が売れてプラスになればなるほど、誰かのマスを奪っているというジレンマに襲われていました。「もっと根本的に、農家が活躍できるような活動をしていきたい、いいアイデアはないか」と日頃から常にアンテナを張っていました。

ちょうど共通の知り合いから、「新潟の南魚沼で米をプラスチックに変えている人たちがいる」という話を聞いて、すぐに連絡を取っていただき、本社へ伺って「ぜひ一緒にやりたいです」と話をしました。それがバイオプラスチック「ライスレジン」のキックスタートです。

バイオレジンを使った製品はすでにたくさん展開されていますが、その中でも袋が一番取り組みやすいのではないかと考えました。去年は滋賀県と一緒にブースを出してこの活動をPRしましたが、今年はその延長でより活動が認知されるよう、N高の生徒との「お米×◯◯」のコラボ企画でライスレジンの袋を作りました。

いつか、「イナズマロック フェス」のブースや会場で使う袋としてライスレジンの袋を採用してもらうのが夢です。

大学生がファッションショーと地元コラボ企画でフェスを盛り上げる!

ライスレジン袋を使用しゴミ拾い活動

滋賀の魅力をさらに広めるとしたらどんなアイデアがありますか?

清水滋賀県は各エリアで特性や得意不得意があります。南のエリアは人口が増え、いろいろな発信拠点になっていますし、北は自然資源が豊富です。現状は各エリアが点となってスパークしている感じなので、東西南北のエリアがつながっていけば、より滋賀の魅力が波及するのではないかと考えています。各エリアの特性がバラバラであることを僕らはポジティブに捉えて、個性を生かして勝負していきたいと思っています。

清水さんにとって、滋賀県はどんな存在でしょうか?

清水僕はもともとスノーボード選手で、全国各地に行ったり海外に住んだりして、外に出て地元のよさに気づいたタイプ。外を経験した上で、滋賀は町として相当おもしろいし、経済と環境が両立しているところもいいと感じました。こういう町って、世界にもあまりないです。環境と経済という意味でいえば、海外の方からの評価も高いです。こういうフィールドに生まれ育ってよかったと思っていますし、この思いが連鎖するような、若い方が憧れる大人を増やしたくて活動をしています。滋賀県は日本の中心で、昔は街道も関もたくさんあったところ。かなり恵まれている場所です。今後もこうした滋賀県の魅力を生かした活動を行っていきたいと思っていますので、若者、僕らの世代だけでなく、色々な方にも協力をいただきながら滋賀県をさらにPRできればと思います。

清水さん、ありがとうございました!清水さんの滋賀県に対する深い愛が伝わってきました。米づくりや地域活性化活動を通してさらに滋賀県の魅力を発信し続ける清水さんとその仲間たちの活動を、これからも応援します!